さらば、我が友 「LJ78」

 明日から8日間の夏休みです。
 明後日は6年ぶりに私の実家に、家族揃って里帰りします。でも、せっかくの休みなんで、渓流にも行きたいし・・・・。

 実家に帰って渓流釣行という方法は、わたしの場合不可能なんです。なぜって、私の実家は渓魚が生息していない(と思う)県なんです。ムツゴロウとか変な魚はいっぱいいるところなんですけどねぇ・・・といっても私が子供の頃の話ですが。

 ホームページ開設以来、なぜかフライフィッシング用品についての物欲を刺激される出来事が多く、忍耐力の無い私はすぐに欲しくなってしまいます。FF依存症の一種「ホシイホシイ病」です。昨夜入浴時に、我が家のふろの蓋を取ったら、お湯の噴出口の下を渓魚が走りました。ハッとして、「そうだ、ストーキングを・・・」と思った瞬間、我に返りました。かなり病気が進行してきました。このままでは、実家に帰っても落ち着かず、精神衛生上良くありません。

 そこで、家族にはお昼には戻ると約束して、前回の四時川堰堤部を目指します。もし、蝉丸の時は、帰りに、フェンウイックの黄色いロッドを買って病気の発作を抑えようと決心して出かけました。
朝4時に現地について準備が整った頃には、辺りが明るくなってきました。
とりあえずフライを放り込んで、どこかにライズがないかと右手の下流部を見渡します。
左の耳にチャポッと音が聞こえました。「どこだ、どこだぁ」と左に顔を向けます。
あれっ? 私の放り込んだフライが見当たりません。今日のフライは、予定通りエッセンシャルアリュール・パラシュート#18です。間をおかずロッドを跳ね上げます。ヽ(^O^)ノ ヤッターァ!! 初っぱなからビンゴぉー!! ところが、リールのドラグを一番緩くしていたので、スプールが逆回転してラインがハミ出てしまいました。ラインを慌てて手繰ります。ありゃ〜ぁ(^_^;)? 手応えが無くなりました。バレた〜〜ぁ。(>_<)

 魚の活性が悪くないのを知った私は、すかさずラインを打ち返します。
 ・・・??? フライがどこにいったか分かりません。ラインを巻き取ってみると、大事なエッセンシャルアリュール・パラシュートが・・・・。ガ〜ン(;_;)/~~ どうやら今バラした四時川の加藤鷹・・・この名前でスンナリ顔が浮かぶ方、ご同輩ですねぇ(^^;)・・・が、大切なナオちゃんフライをくわえていってしまったようです。

 仕方無くいつものヌケルヘアー#16で、ライズめがけてキャスティングします。
 ひと通り釣り上がり、いつもの通りフライをトス・アタック・空振り・・・を繰り返すうちに残り時間が1時間を切りました。結果が出ぬまま、もう帰ろうかと考えながら水門の上にたたずみます。暑さでボーッとして、何気なく5m下方の水門の流れ出しを見てました。
すると、そこに水の底からデッカイ魚がボワーンと浮いて来ました。後から、チョッと小ぶりの魚が2匹付いて来ています。「デカッ!!」 渓魚達は、流れ出しにフィーディングして、お食事中です。

 渓流を始めて以来、最高に低い姿勢で忍び寄ります。匍匐前進状態です。途中で止まって、来た方向に向ってキャスティングの予行演習を行った上で、さらに5m前進。魚に向って慎重にキャストしました。

 風向きを考えていなかったので、フライは渓魚達のはるか後方に落ちてしまいました。流れも早く、すぐにドラグが掛かってしまいます。魚に逃げられたら困ると思い、ピックアップをためらっていると、小さな魚が浮いてきてフライをくわえました。フィシュ・オン!! ヨッシャー!! 小さくても1匹は1匹です。ラインを手繰り足元まで寄せて来ます。 へッ?? 模様が無い。この薄緑色の魚体は・・・・。南FAのお友達のミニモミ版です。ガックリ・・・・・。
ご無沙汰していた「ハヤみ ゆう ちゃん」でした。

 今度は早い流れの中でも、少しでもナチュラルに流れるようにと、ティペットを6mくらいにして、再度キャスティングします。今度はティペットが長すぎて、ラインが着水しても、なかなかフライが落ちてきません。10秒間ほど経ちましたが、まだ落ちてきません。???と思ったら、空中でフライにアタックしたツワモノがいました。レッドドラゴン君です。そのままフィーディングレーンに落ちてくれれば、ぜったいデカ渓魚が食いついたと思うのですが・・・・。

モスラの羽化ではありません。
赤とんぼ君が、ヒットしただけです。(^^;)



 フライを茶色PCBダンに変えて、もう一回キャストします。三匹の渓魚は、まだ見えています。今度は風の計算も頭に入れて一番デカイ渓魚の1m前方に向けてキャストしました。でも狙った所より、1m奥の黄色っぽい縁石の浅い流れの上に落ちてしまい、フライを見失いました。目を凝らしてフライを探します。その瞬間です。ラインがガクンと引っ張られました。すかさず合わせました。今度はしっかりフッキングしています。何度かのやり取りの末、ネットに納まりました。引き具合からすると新記録達成は間違いないと思っていたのですが、測ってみると25cm。前回と同じサイズです。雰囲気からして、同じ魚かもしれません。四時川の小池栄子ちゃん2号に、嬉しいながらもチョッとがっかり。


 その後は、残った渓魚の姿も見えなくなり、ロッドを仕舞うことになりました。

 結局、今日の釣果は、ヤマメ一匹・ハヤ二匹・トンボ一匹の計四匹でした。蝉丸にならなかったので、けっこう満足しました。黄色い竿を買う気は無くなりました。
 帰り支度を終え、車のアイドリング中にエアコンが効いていないのに気付きました。いろいろチェックしてみたのですが、原因がわかりません。シャツが汗びっしょりなので帰りは辛いなぁと思いながら、アミノサプリと眠気覚ましのリポビタンDスーパーを飲み、窓を全開・アクセル全開にして、勿来ICから高速に乗り水戸方面にハンドルを向けます。東海パーキングを過ぎたあたりで、若干の車の異臭に気付きました。でも警告ランプは点灯していません。那珂ICで降りようかと思ったのですが、あと少しで水戸ICと思い、そのまま走り続けます。

 水戸ICまであと数キロという所で、突然、車のエンジンが止まりました。白煙と金属音とともにスピードが極端に落ちます。・・・・・動かなくなってしまいました。
 暑さとショックで、呆然自失です。クーラーに入れてあった氷と缶コーヒー・ウーロン茶が無かったら、正真正銘の熱中症になっていたかもしれません。JAFを経由して車を整備工場に持っていくと、愛するランクルのエンジン・ワイヤーハーネス・タイミングベルト等々、コンポーネント一式が死んでいました。修理には安く見ても70〜80万円かかるそうです。

 思えばお袋を亡くした時の生命保険金の一部を譲り受け、それを頭金にして買った車です。それもあって大切にしてきたし、なかなか買い換えられずに来たのですが、お袋の13回忌の今年、お盆に墓参りと思った里帰りの前日に、ついに寿命が尽きてしまいました。あと10年くらいは乗るつもりだったのに・・・・。

黄色い竿どころじゃなくなりました。
ボーズのときも、大漁の時も、家族同様に長く大切に付き合ってきた我が友・・・LJ78・・・と決別することになってしまいました。
長い間、ほんとうにありがとう。LJ78。
でも、悲しい・・・・・。


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