風邪には早めの南FA

 久しぶりに、水戸南フィッシングエリアに出かけました。久しぶりと行っても、1週間ぶりくらいですが・・・・(^_^;)

 今日は暖かいせいで、けっこう客が来てます。
 メインのポンドの方は人が多かったので、風邪っぴきの私は、お客さんに風邪をうつさないように気を使って?ストリームエリアに陣取りました。めずらしくヤマメが多く泳いでいます。昨日放流したようです。
 さっそくこれを狙おうと思い、昨日巻いた#22のグリフィスナット風ドングリナットウを付けてキャストしました。

 魚は近寄ってくるのですが、見きられています。なかなかフライをくわえる所まで行きません。

 右隣の人は、さっきからバシャバシャと魚をとり込む音がしてます。うらやましい・・・・。
 しばらくすると、左隣にもフライマンが陣取りました。キャストしてすぐ、魚がかかっています。なんでーぇ???

 ジロジロ見るわけにもいかないけど、どんなタックルなのか気になります。タバコを取り出して、火をつけるふりをしながら横目でチラッチラッと盗み見ます。何度か見ているうちに、フライマンと目が合いました。思わず、目をそらしてしまいました。
 別に悪いことをしているわけじゃないんですが・・・・。
 これって、自転車に乗って登校中の女子高生のスカート付近を盗み見ている時に、その女子高生と目が合ったときの心理に共通するものがあります。
 どうでもよいことですが・・・・・。

 しばらくして、やっと私にも、フライをくわえてくれる魚が現れました。虹君です。ありがとーぉ。(p^-^)p

 しばらくすると、左右の釣れ釣れモードの人が居なくなりました。そこで取り出してきたのは、ADパパさんのホームページを参考に巻いた「ちぇるのぶいりあんと#10」!! なんとなく恥かしくて、人の見てる前では付けるのをはばかられたフライです。某FR誌によると、ちまたで流行のフライなんだそうです。でも私が巻いたら、どう見ても「ちくわぶ入りあんこ」という感じです。

 これで私も爆釣モード・・・・・ひひひ・・・・と思ってキャストしました。でも、魚達はぜんぜん見向きもしません。爆釣のはずの「あんこ」は、むなしく流れを漂います。時々デカイ魚が寄ってきて、バカにしたように尾びれでフライを蹴飛ばしていきます。くそッ!!

 しばらくガマンしていましたがシビレを切らして、フライを変えようと思いフライボックスの中を覗きます。底のほうに、小指の爪ほどの大きさのカメムシのフライを見つけました。けっこうリアルなフライです。「はてな??? こんなフライ持ってたっけ?」と思いましたが、ずーっと以前に、師匠から頂戴したようなしないような・・・・・。

 あいまいな記憶ながら、ここは師匠のリアルイミテーションフライでブイブイいわしてリベンジしたろーぉ!!と思い、そのフライをツマミあげました。そして針のアイをさがそうと持ち替えた瞬間、カメムシフライの腹部が「むにゅむにゅ」と動きました。
「ドキ−ン!!」本物でした。生きてました。フライが・・・・・。
 一瞬たじろぎ、臭いを振り撒かれながら流れに放り投げると、デカイ魚が躊躇なくバコッと食べちゃいました。しまった!! 針を刺して投げればよかった・・・・・。後悔先に立たず…です。

 しかたなく、#24のミッジピューパを付けてキャストしますが、もうやる気は残っていません。何度か打ち返しますが、やる気のなさがフライにも伝わるのか、魚も寄ってきません。フライは浮力を失い、流れを漂っています。ボーッとしながら小魚を追いかけている50cmはあろうかというイトウ君を見ていました。その魚がフライの近くを通り過ぎた瞬間、突然ラインがギュンと引っ張られました。

 うわッ!! あっという間に15mほどラインが引っ張られ、今度は反転して逆方向に走ります。左腕はダブルホール体操をしているようにラインを引いたり離したりしています。9Xのティペットです。無理をしたら、すぐ切れてしまいます。右に1回・左に2回走ってパワーをいなします。
 こいう時は、なぜか無意識のうちにブツブツと独り言を発してます。「ちょっとまてッ!!」「むむッ!! なかなかやりおる。」「そうは、いかないぞーぉ。」「そろそろカンネンしたらどうだーぁ・・・・。」 まるで、うら若き乙女を手篭めにする悪代官のようです。魚を取り込むためにと思い荷物の所にゆっくりバックしてネットを握り締めた一瞬、ラインのテンションが高まりました。悪代官に帯を解かれ手篭めにされかけていた町娘の伊藤ランちゃんは、この時を狙っていたのでしょう。ナイスバディを反転させて波紋とともに、ラインブレイク。

 「9Xのティペット」+「私の腕」+「4600円相当のリールのドラグ機能」+「自称#5のおつとめ品ロッド」では、どだい無理なやりとりです。だいたい#5のロッドと6Xのテーパーリーダーの先に9Xのティペットを付けてる事自体、スケベな悪代官丸出しのヘンな取り合わせです。その先に「ちくわぶ入りあんこ#10」では、フライフィッシングを冒涜するがごときシステムだと言わざるをえません。
 アンドレ・ザ・ジャイアントが、デカイ指で、掟破りのゲームボーイアドバンスやってるようなものです。
 と、自分をなぐさめます。やはり、女の子にはオクテのAstrumは、悪代官にはなりきれませんでした。それも当然です。私のフライのマテリアルは、「遠山の金さん」=「松方店長」のお店で仕入れてますから・・・・。

「ふっふっふ〜 上州屋、おぬしもワルよの〜ぅ。」
「何をおっしゃいます。お代官様こそ、この山吹色の羊羹の箱には、ご執心でございまするな〜ぁ。」
「こやつ、なかなか言いおるわい。」
「ふっふっふ〜〜。」「へっへっへ〜〜。」と、つまらないことを考えながら、それでも自分の巻いた極小フライをデカイ魚がくわえてくれたことに快感を覚え、ラインブレイクに妙に納得しつつ竿をたたむことにしました。



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